‥‥★★48 アウトソーシングのカギは原価管理
■「コスト、品質、納期」の最適化を図るのは購買部
アウトソーシングとは専門業者に依頼することであり、依頼した時点で単価は確定しますが、いろいろな問題が起こる確率も増えます。一番典型的なのは、手抜きして納品されることが少なくないことです。頼んだ専門業者が外注することもよくあります。
アウトソーシングでは、社内で行うような品質保証がないため、その管理が重要になります。品質管理を行うことを「検収業務」といい、多くの企業では購買部が行っています。
購買部というと、部品メーカーから購入する資材を連想しますが、サービスも含まれます。たとえば清掃を専門業者に依頼したときは、どうでしょうか? 材料は検品をするのが当たり前なのに対し、サービスは不要ですか? 違いますよね。仕入れもサービスも同じであり、無形のサービスである清掃についても当然、検収の対象となります。
会社として「コスト、品質、納期」の最適化を図るためには、購買部の力を絶対的に強くする必要があるわけです。その際、一番のポイントとなるのは原価管理です。
■原価管理のために、必要な工数を調べる
原価管理とは、どれだけのコストで調達できるかということであり、そのためには、いったいその商品はどういう部品でできているのか、どの部分がアウトソーシングできるのかといった調査・研究が必要になります。1個1個の商品に対し、どのくらいの工数(手間、時間、工賃)がかかるのかがもっとも大切です。
Aという商品を調べたら、100円の工数が必要だとわかったとします。アウトソーシング先には、
「100円でお願いします」
「無理をいって申し訳ありませんが、95円でお願いします」
といわなければいけません。
「50円でなんとかお願いします」
と無理強いをしてはいけません。合見積をとって、50円でできる業者がいたとしても、理論的に成り立たない価格を設定している業者は、長期的につき合うことはできません。
「他社よりも必ず安くしますから、うちにぜひともお願いします」
という業者も、手抜きされて品質の悪いものがあがってきたり、会社がつぶれたりする。たとえ安くてもつき合ってはいけないのです。発注側が工数を把握していないと、安い業者とつき合うことになりやすいといえます。
100円の工数が必要という商品Aの工数を下げるためには、やり方を変えるか、材料であれば素材を変えるしかありません。やり方であれば、ある工程とある工程を一体化したり、手間を軽減したりする方法を考えます。
Aの素材を鉄からアルミに変えるなど。アルミにしたら、どういう問題が起こるのかも調べます。例えば、アルミはアルツハイマー病を引き起こすといわれているなど、わかってきます。
外注業者はいわれたことを行うだけですから、素材を変えた場合の単価、メリットやデメリットなどの調査・検討は、アウトシーシングをする発注側がやらなければならないわけです。
■参考 経費削減 コストダウン論
‥★★★24 時代はアウトソーシングに向かっている
‥★★★25 アウトソーシング例、DMの封入作業を見てみる
‥★★★26 アウトソーシングできる組織をつくる
‥★★★27 ビジネスのコア以外はアウトソーシングできる
‥★★★28 アウトソーシングは丸投げではうまく機能しない
‥★★★29 アウトソーシングの亜流、Webビジネス
■参考 会社経営とは 戦う経営ブログ 社長の道!『仕事の徒然草』
・第34段 仕入先とのつき合い方を考える
・第83段 計算できるのが優れた外注先
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