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★★★26 アウトソーシングできる組織をつくる

組織をスリム化する手順

 アウトソーシングとは、

 1.能力を補助するものである
 2.スペシャリティの高いものほど効率がいい
 3.コストダウンの切り札である
 4.常に安定した結果を得られる
 5.人を雇い入れないから、人間関係のトラブルが生じない
 6.料金後払いのため、会社の資金が潤沢になる

 結局のところ、アウトソーシングは会社を楽にする手段です。これゆえ、間違いなく、時代はアウトソーシングを追求していきます。その流れの中で、勝ち残れる会社は、自分の仕事や自分の会社の仕事をアウトソーシング化できるように、どんどん組織を組み替えていける会社だけです。

 そのためには、組織をスリム化することが重要だと、経営者ならば誰でも理解しています。しかし、その進捗状況は、理解度とは反比例しているから困りものです。会社も政界同様、抵抗勢力がいるから頭が痛い。しかも、その抵抗勢力にかかる人件費は、若い社員10人には相当するにもかかわらず、10人分のフットワークはないときています。

 アウトソーシングできる組織をつくり上げるためには、まず、会社を給与の高い役職者から解放する必要があります。役職者の仕事を、若い社員に任せる。その状態で正常に機能するようになったら、若い社員の仕事をパート化する。段階的に仕事を分割することにより、最終的にすべてをアウトソーシングでまかなえるように、組織をまとめていくのです。

アウトソーシングの鍵は社長の能力

 アウトソーシングを活用するためには、明確な指示・命令が必要になります。社内の作業なら、「おい、2月1日に、DMを発送するぞ」といいさえすれば、従業員はそれなりに進めます。はじめての仕事だと、常に上司の顔色をうかがいながら、いちいち上司に確認を取り、「あーでもない。こーでもない」とやっていきます。

 しかし、アウトソーシングするためには、このような曖昧模糊では通用しません。このようなだらだらモードでは、いくら企業間の取引とはいえ、超過料金を請求されかねません。

 2月1日にDM発送するためには、アウトソーシングを円滑に進めるための指示書が必要になります。どのような内容で、どういう梱包形態のものを出すか。そのためには逆算して、いつまでに発注しないといけないのか。中身を入れる順番、商品を強調するために印刷面を外に3つ折りにするなど、手順書をきっちりつくる必要があります。

 アウトソーシングを切り札として使用するためには、社長のディレクションが重要です。指示書や手順書をマニュアル化できるのも社長であり、アウトソーシング化を決定するのも社長の一言です、社内の改善案を長老たちとあれこれと机上で論じるよりも、「これは外に出すぞ!」の英断です。

 鶴の一声により、社内にはさざ波が立ちます。奮起する社員もいれば、リストラにおびえる社員も出てくるかもしれません。しかし、役員を納得させられる人物も、社員を明るいほうへ導く人物も、社長でしかないのです。うまくまとめるのが経営者の力量、それがディレクションです。

 社長にデレクション能力がない会社は、常に潜在的にコスト高になります。インターネットがこれだけ普及しているにもかかわらず、メールアドレスが書かれていない名刺をいくらバラ撒いたところで集客にはつながらない。10年前はメールアドレスなど必要ありませんでしたが、今は電話よりメールで済ませる時代。今、メールアドレスのない名刺は、ただの紙です。

 この人がデスクにいる時間を推測して電話をかけなければいけないのか。電話でつかまらないときは、FAXを入れるしかないのか――。このような印象を持たれるだけで、商売にはつながりません。社員一人ひとりにメールアドレスを持たせるのもディレクション、それを名刺に記載するのも社長のディレクションです。

 そのディレクションは、時代の流れを追っているかこそできる判断です。アウトソーシングは急速に進化しています。アウトソーシングの、その先にあるのは、SOHOです。SOHOのほうが業者よりも圧倒的に経費が安く済むからです。

 低コストで仕事を受注する在宅ワーカー・SOHOを企業の戦力として取り込むのです。たとえば、Webビジネスをやるのならば、検索エンジンの登録や更新などは、従業員にやらせるよりも、ネットに慣れているSOHOに任せたほうがいい。そのためには、社長自身がすべての段階を経験し、人を見る目があることが重要になります。

 インターネットがわからない社長では、ディレクションが不可能。ホームページを制作するのでも、社長が知らないとWeb制作会社にダマされて、FLASHを多用したホームページができ、高い経費を払ったわりに、訪れる人がほとんどいないといった成果が上がらないものになりがちです。




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