‥★★★41 細部の詰めをすると、人物評価になる
■段取りが悪いと、経費は数倍かかる
会社のお金は、常に出ています。細部まで詰めるということは、誰がムダづかいが多いのかを調べることです。ムダづかいが多い従業員の仕事のやり方を改善させないと、経費削減はできないからです。
経費をチェックするということは、要するに人を判断することです。人がお金を使っているわけですから、必然的に人物評価になります。今回は、第40回よりもわかりやすい例を説明しましょう。
第40回で説明した「通信費」には切手代や郵送料もありますが、“誰かにモノを届ける”ために発生する費用ですから、「荷造運賃」をあわせて考えます。
まず郵便で届ける方法を考えると、通常郵便、冊子小包、書留、速達、配達証明などがあります。そして、宅配便やゆうパック、バイク便、あるいは従業員に届けさせるというやり方もあります。
それでは、これらの中でどの方法が早く、確実に届けることができるでしょうか。バイク便か従業員に届けさせることです。
たとえば、お客さんに送らなければいけない書類を1週間忘れていて、催促の電話がかかってきて、その日に届けなければいけない状況になったとします。そうすると、1週間前に送っておけば通常郵便の80円で済むのに、バイク便を使って3,000円だとすると、コストは37.5倍にもなります。早く、確実に届けるためにはコストがかかるのです。
「荷造運賃」を高くしているのは誰かを特定していくと、仕事をダラダラとやっているのが明らかになります。人件費もさることながら、労働生産性が低いこと、要するに段取りが問題になってきます。優先順位がわかっていないで、その場しのぎで仕事をしている人だということがわかるのです。
■接待交際費は感動させる方法を考える
接待交際費は使っている従業員ごとに、領収書を見ながら、誰を接待しているのか、どうしてその人と会うのか、その頻度、その飲食店を使う目的を聞きます。お中元・お歳暮ならば、贈っているひとり一人について、贈る意味を聞きます。
意味があるお中元・お歳暮ならば、贈りつづけますし、意味がない(売上に貢献しない)のであれば、会社ではなく、個人で贈るようにする。
接待やモノを贈る目的が、感謝の気持ちを伝えることだとすれば、心のこもったメール、ハガキや手紙を送るのでもいいわけです。
接待交際費は、お金で解決しようと思うから、お金がかかるのです。銀座のクラブに連れていくのは、ホステスにもてなしを頼むからお金がかかる。ホステスの代わりに、自分でもてなすことを考えればいい。いくらお金を使ったかではなく、心がこもっているかどうかが大切です。基本的に接待交際費は、相手に感動させるために、いかに最小限のお金を使うかを考えることがカギになります。感動させられない接待交際費は、ムダづかいです。
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