‥★★★40 経費削減・コストダウンの要となるのは細部の詰め
■従業員は経費削減を考えて仕事をしていない
コストダウンとは、経費を削減することです。あるとき、経費削減をしようと思い立った社長は、部長に「経費を削減しろ。経費を1割削減しろ」と目標値だけをいいがちです。
しかし、部長はわかりません。右肩上がりの時代は売上至上主義でしたから、「売上を1割上げろ」ならば、部長は考えて実行できるでしょう。しかし、従業員は経費削減のことを考えて、仕事をしているわけではありません。
社長にいわれた部長は「どうすればいいんだろうか?」と首をひねるだけで、数ヶ月経つことになります。
銀行員や経営コンサルタントも、赤字の会社の決算書を見て「人件費や接待費が高いです。どちらも下げてください」というだけ。具体的にどうやるのかまで話がいかなくて、それで終わってしまう。
経費削減をする方法は、個別に細かくチェックし、分析したあとではないと、出てきません。経費の使い方は、それぞれの会社で異なりますから、細かい診断をしなければならないわけです。
儲かっている会社の社長は、経費削減する方法を考えて、従業員に実行させています。それを社長が伝えていないから、ムダが多くなるのです。
■通信費を下げる方法とは?
それでは、通信費を下げることを考えてみましょう。社長に「通信費を1割削減してください」というのではなく、「通信費の内訳は何ですか?」と聞くことから始まります。通信費は電話代、FAX代、プロバイダー代、インターネット代、切手代や郵送料などがあります。
まず電話代は、固定電話か携帯電話かを分けます。どれだけ料金がかかっているかを調べます。次は、固定電話ならば回線数、その数は必要かどうか。第3に電話会社はNTT、KDDI、平成電電などなのか、それともIP電話のほうがいいのか。第4は部署ごと、従業員ごとに、誰が誰にかけているのか。なぜ長い時間を話しているのか。それは本当に必要なのか。どうしてメールやFAXを使わないのかなどを細かく見ていきます。
携帯電話ならば、携帯で話す必要があるのか。固定電話やメールじゃダメなのか。その従業員に携帯を持たせる必要があるのか。さらにNTTドコモ、ボーダフォンなど、どのキャリアがいいのか、そのプランまで調べます。
インターネット代は、光、Yahoo! BB、あるいはISDNがいいのか。その会社にとって最適な方法を考えていきます。切手代や郵送料は、「荷造運賃」と深い関係がありますので、次回説明します。
経費削減をするためには、部署、従業員、メーカー、すべて細かく調べ、ひとつ1つ必要性を全部検討して、どうすれば下げることができるかを考えなければいけません。個別具体的に、誰が使っているかまで最終的に見ていくと、効率的に最適化されていないムダが出てきます。
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