‥★★★2 個々の利益から規模の利益へ〜脱サラ社長の奮闘
こんにちは、コストダウンライターの嶋津典代です。
今回、取材にご協力いただいたのは、元印刷会社の営業マン。現在は、年商20億、従業員100名、10店舗の居酒屋をチェーン展開する社長さんです。
■ホームページの信用度
――まずは、コストダウンコンサルティングに申し込まれたきっかけからお聞かせください。
社長:異業種交流会で知り合った経営者から、ホームページを教えてもらったのがきっかけといえばきっかけかなぁ。異業種交流会といえば聞こえはいいですが、経営者同士で酒を飲みつつ、一緒に勉強でもするかという体育会系の集まりです。私なんぞは「マネーの虎に出てくる飲食業の社長は羽振りがいいよなぁ」なんて、くだを巻いているだけですが……。
――その会で、スーパーコストダウンドットインフォが話題に?
社長:いやぁ、インターネット好きのヤツがいて、そんなことをいってたかなぁ程度だったんですが、翌日、URLをメールで送ってくれましてね。見ないのも悪いでしょ。義理でクリックしたという感じです。
――ホームページをご覧になっていかがでしたか?
社長:いやぁ、キレイで感動しました。基本的に、私はホームページを見るのが嫌いなんですよ、疲れるから。最近のホームページは重いし、いっていることがわからない上に文字も小さい、問い合わせも届いているのか本当にどうなのか……。返ってこないことも多いでしょ。でも、スーパーコストダウンドットインフォの文字は大きい、写真もキレイ、花も凝っている。正直、惹かれました。
――えっ、そのような感覚で、コンサルティングを決定されたんですか?
社長:もちろん、それがすべてではないです。でも、数あるホームページの中で、何を信用の基準にするかといえば、やっぱり、作りでしょ。手のかけ方で、その会社の熱意とか誠意とかが伝わってくるじゃないですか。うちの店がやっているのは、新聞の折込チラシくらいですが、それでも相当気をつかいますよ。
――山田先生の熱意は買ったという感じですか?
社長:つかみはOK(笑)。メールマガジンを申し込もうかとも考えたんですが、事例方法の中にちょうどピッタリくるものがあったので、紹介を受けて使ってみたんです。居酒屋を10店舗もやっていると、光熱費もバカにならないし、そこだけでも軽減できれば助かりますから……。電気料のコストダウンをお願いしました。
■プロのノウハウ
――電気料の削減はいかがでしたか?
社長:紹介していただいた業者さんは親身でしたが、やはり、多少のトラブルもつきものですよね。でも、トラブルの際には、山田先生の緊急出動がありまして、見事な仕切りによって、無事、丸く収まりました。結果、月5万円くらいのコストダウンですか……。
――それは全店舗で、月5万円ということですか?
社長:1店舗価格です。最初は半信半疑の部分もあって、テスト的に1店舗で試してみたのですが、効果てきめんでしょ、年間60万円の計算ですからね。翌月には残りの店舗にも広げました。やり方さえわかれば、大したことじゃないのですが、やっぱり、きちんとコンサルタントの先生に見てもらって、やることやってもらえば、これくらいはすぐ落ちるのかなって、かかと落しくらいの衝撃でしたね(笑)。いやぁ、感動しました。
――全店舗で600万円のコストダウン。電気料だけですものね!
社長:ピンポイントですからね。素人が試行錯誤を繰り返すより、プロの力を借りるほうが効率的です。素人が闇雲に鉄アレイ振り回したって、筋肉はつかないでしょ。おまけに体を壊したら元も子もない。そういうわけで、スーパーコストダウンドットインフォを頼り始めて、他の事例方法もいくつか、ホームページを通してですが、山田先生にお願いするようになりました。
――コストダウンの旨味を知ってしまいましたね。
社長:もう、麻薬のごとくハマりました。コストダウン論も読みふけり、読めば読むほど、その通りだと納得はするものの、実際に、会社で実行するには難しすぎました。山田先生は方程式に答えまで、ノウハウが公開されていますが、コストダウン論は理論ですからね、体育会系には手を出せません。
――組織的に変える必要も出てきますから。
社長:そうなんですよ。組織をいじるとなると、土台から作り直さなければいけない。アレをこうするとソレがダメになって、ソレをそのままにしておくとアレにムダ金がかかる。もう出口のない迷路ですね。
――出口が見つからなければ、入口に戻るしかない。
社長:まさしく。事例方法で予行演習していたことがよかったんでしょうね。信者のごとく一目散に、コストダウンコンサルティングに申し込みました。理論で頭を悩まし、事例方法をちまちまお願いしているくらいなら、いっそまとめてって。入信後は、ストレスフリーですよ。
――教祖率いるエースコンサルティンググループはいかがでしたか?
社長:山田先生はお忙しい方なので、最初のご挨拶と営業トークのみだったのですが、まぁ、来る人来る人、優秀な会計士、税理士さんばかり。もちろん、皆さん、お若い先生ですが、ぜんぜん頭でっかちじゃない。親身なんですよ。「いくら仕事とはいえ、なぜ、他人の居酒屋にここまで真剣になれるんだろう」なんて、コンサルタント受けている当事者が他人事になるほどでした。
――その若さゆえ、カチンとくることはありませんでしたか?
社長:私も異業種に飛び込んだ人間ですから、それはまったく。「こういうお若い先生方がこれからの日本を変えていくんだろうなぁ」なんて、楽しんでましたね。うちの会社はそんなに大きくない中小企業だと思うんですが、会計士と税理士の先生、常時2人くらいついていただき、調査・分析、レポートも頻繁に出していただきました。現時点で5,000万円くらいのコストダウンにはなっています。
■チェーン店の利、仕入れの一括化
――ケタ違いですね。一番の勝因は何だとお考えですか?
社長:仕入れの一括化。やっぱりね、そうなのねって世界でした。一括購入しないで、どこがチェーン店かってくらいの話ですよ、今思えば……。この仕事が好きで始めただけでしたから、チェーン展開なんて立派なビジョンは微塵もありませんでした。思いのほか軌道に乗ったために、もう1店、よし、もう1店と廃業寸前の居酒屋を従業員ごと引き受けて、「店長、お前に任せた」と体育会系のノリで増やしてきました。
――体質的に、各店舗の経営は店長にお任せ?
社長:この商売を始める前は、営業畑の人間でしたから、店舗の面倒は一生懸命みるんですよ。メニューやサービスを一本化したり、お客様のクレームには私が前面に出たり。しかし、肝心の仕入れに力を使っていなかった。各店舗がバラバラに仕入れをして、食材があったりなかったりすることも日常だったんですが、それでも一応、各店舗とも黒字が出る程度にうまく回っていました。
――黒字は黒字だけど、儲け感は少なかったんですね。
社長:体育会系の黒字でしたね。薄々は気づいていたんですが、テレビで「このチェーン店の安さの理由は食材の一括購入・一括管理」なんてことを耳にしていましたからね。でも、繁華街の店舗はいいですが、郊外の商店街にある店舗だと、隣の八百屋との関係も大事でしょ。「あそこはお偉くなって、うちの店では仕入れてもくれない」なんて、関係悪化は避けたい。性格上、ご近所の
方々がお客様ですし、ゴミの収集など商店街で管理しているところも多いですから……。
――商店街へのスポーツマンシップが災いした形ですか?
社長:まったくもって。でも「一番の問題は、食材の調達のコストが高い!」「食材や資材を一括管理してまとめなさい!」「団体で交渉すべき!」と、どの先生方にもきっぱり言われ、腹をくくりました。腹をくくると、あとは早いですから、私。
――仕入れ方法ひとつで、5,000万円のコストダウンは見逃せないですね。
社長:一括で購入することで、会社規模での利益が出るんですよね。年商20億円ですから、仕入れが仮に10億円だととしても、5%下がれば、5,000万円。規模の利益までに、正直、頭が回らなかった。規模の利益。それが、私には欠けて部分でした。筋肉だけじゃ、利益が出ないことをやっと悟りました。
――仕入れのシステムを変更するとなれば、大変だったのでは?
社長:各店舗への食材の運搬方法から、店舗ごとに来店人数やメニューの傾向などが違いますから、どうしても分析が重要になります。まったく畑違いの世界でした。
――店長にお任せで、黒字を維持できるなら、そのほうが楽だと考えたりはしませでしたか?
社長:それでマネーの虎のごとく札束を積めるのなら、それに越したことはないでしょう。でも、店長任せが通じるのも10店舗が限界かもしれません。10店舗なら毎日、顔を出して、あれこれと世話を焼くこともできますが、それ以上のチェーン展開を望むとなると弊害も出てきます、必ず。
――お店には毎日、出ていらしたんですか?
社長:体育会系ですから、「いらっしゃいませ!」と声を張り上げているのが好きなんですよ。顔なじみのお客さんの愚痴話にハッパかけたりとかね。事務所に店長を召集して月例報告会やら各店舗の売上やノルマを入力して、グラフ化するなんて、性に合わない。だから、会社を辞めて、この商売を始めたんですよ。
――でも、マネーの虎は、バックヤードから目を凝らしている感じですが。
社長:たぶん、山田先生的な視点と、私的というか、肌で知るユーザーニーズの両方を兼ね備えているんでしょうね。でも、私には、山田先生的な視点が欠けている。そこは先生方の目をお借りしていくしかないですね。山田先生や若手の先生のご指導を受けながら、仕入れだけじゃなく経理など、全店舗を見据えたトータルな管理をしっかり、やっていかなければいけないと考えています。
――かなりの利益が出る会社になりそうですか?。
社長:ええ、今期は従業員にも決算賞与を出せそうです。10店舗がうまくシステム化され、きちんと稼動するようになれば、全国展開も夢ではない。マネーの虎を目指して、頑張ります。
(注)体験談は、実際の体験を通して、スーパーコストダウン術を分かり易く、そして楽しく会得することを目的としています。そのため、多くのフィクションが含まれています。
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