‥★★★51 アウトソーシング先をうまく仕切る
■完ぺきな仕様書があれば、仕切りは成功
アウトソーシングをする際の問題は、まず検収(検査)、次に原価管理、第三に仕切りがあります。いかに仕切るか。そのためには、うまく情報を伝達するにはどうするかを考えなければいけません。
専門業者を呼んで打ち合わせをするときに、依頼する仕事について口頭で説明する人がいますが、必ず文書にしなければいけません。なぜかといえば、頼んだ専門業者が外注することもよくあるからです。
要するに、うまい仕切りとは、外注にわかりやすく、正確な仕様書を書くことができること。曖昧ではない、いい仕様書を書く企業とは、つき合いたい外注先がたくさん現れます。その中から最善の外注先とつき合えるのです。
外注先から見て、最悪なのが「お任せします」といって、納品後に文句をいい、何度も修正させる会社です。仕事ができる専門業者は、発注先を選ぶことができます。二度とつき合うことはないでしょう。
きちんとした仕様書があれば、それさえ守ればいいわけですから、時間を計算することができます。さらに、仕様書を書かなくても「あうんの呼吸」で対応できる外注先がいれば、発注側もコストダウンになります。
■専門知識がなく、依頼するのは無謀
完成後に修正が簡単にできないものもあります。代表的なのが建築物です。たとえば、マンションの大規模修繕工事を考えてみましょう。修繕工事は、工務店に合見積をとる方法と、設計事務所に設計図を依頼し、それをもとに工務店に合見積をとる方法の2つがあります。
多くの人は、工務店の人をマンションに連れてきて、「だいたいやってよ」と依頼します。工務店に最初から任せると、何の修繕を行うのかわからないまま、合見積して、見積額だけで業者を決めると、その後も曖昧なまま、施工が進みます。設計と施工を同一業者が行うと、施工のチェックが甘くなり、欠陥工事の温床といわれています。
マンションの管理組合の役員に建設業界の人がいれば別ですが、専門知識がないまま工務店に任せるのは無謀です。足元を見られて、手抜きされても仕方ありません。
本来であれば、何を修繕するかを設計事務所と事前に決めて、設計図を依頼し、それを元に工務店に合見積をとります。設計事務所といっしょに見積もりの内容を調べていけば、適正な基準で工事費を比較、選定でき、きちんとした仕様書や契約書などの書類もできます。
実際に施工するのは工務店の職人であり、きちんとした仕様書がないと現場が混乱します。また信頼できる設計事務所であれば、その後の管理体制が甘くなることもありません。
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