‥★★★31 会社の資源を使い倒すことが、コストダウンの鉄則
■使い倒すためには知恵が不可欠
若者向けのバラエティ「いきなり! 黄金伝説」というテレビ番組をご存じでしょうか。その中の「芸能人節約バトル 1カ月1万円生活」はすごい。何がすごいのかといえば、徹底的に使い倒していることです。
タイトルどおり、芸能人が1カ月の食費・光熱費を1万円でまかなっていく内容ですが、お風呂に水を入れたペットボトルを何本も置き、お湯のかさを増して、水道料金の節約。しかもペットボトルに入れた水もお風呂の残り湯なら、さらにその人肌の水で拭き掃除という使い倒しぶり。
お風呂の残り湯を徹底的に使うためには、知恵が必要です。何も考えないと、バスタブからお湯を流して終わります。知恵を使って、お風呂の残り湯を徹底的に使うのと同じように、会社でも持っている資源(ヒト、モノ)を徹底的に使う。こうすれば、利益を上がることができます。
ただし、家庭と会社は違います。会社では人が動けば、常に人件費という固定費がかかります。そのため、主婦的発想の経営者では儲けることができません。家族みんなで節電・節水すれば貯蓄はできますが、従業員みんなで節電・節水をすると、赤字が増えます。利益に結びつかない関係ないところで人が動くと、よけいな固定費になります。
■賞味期限と消費期限
それでは、まず会社の資源のひとつであるモノから説明しましょう。会社のモノといえば、パソコンやトラック、プレス機械など。モノは耐用年数を過ぎても、使い倒すことがカギになります。
耐用年数とは、いわば賞味期限のようなもの。おいしい状態を維持できる期間に過ぎません。消費期限とは、食してもお腹をこわさない期限であり、耐用年数以上に使用することは、まさしくこの状態を指します。
時代遅れだろうが、古い機種だろうが、業務に支障をきたすまで、使い続けるのです。どの業種でも使っているパソコン。1台のパソコンを徹底的に使うため、新しいOS対応のパソコンが出ても買い替えてはいけないのです。
Windows95を使用していて、Windows98が発売されたからといって、パソコンは買い換えない。OSをバージョンアップさせなくても、Windows95のままのパソコンを使い続ければいいのです。
Windows95→98→Me→2000→XPと、新しいOSが出るたびにパソコンを買い換えている会社は儲かりません。賞味期限を堪能するのではなく、真の旨みは、消費期限にあります。機械でお腹はこわれません。まだまだ食べられるのに、捨てるなんて、利益を捨てているのと同じです。
Windows95から98になったのは、3年くらいだから償却しきれません。パソコンでも何の機械でも、3年くらいしか使えないものは元はとれないのです。OSも同じく、購入してから最低5年、ギリギリまで使います。
もし、Windows95をバージョンアップするのであれば、Windows98は飛ばして、Windows2000対応のパソコンを購入すれば、5年はパソコン、OSともに使うことができます。Windows98ならば、Windows2000も飛ばして、WindowsXP対応のパソコンを購入すればいいのです。
使い続けて、買い換えるときには、そのときに発売されている一番いいものを購入します。使い倒すことを念頭において、モノ選びをします。コストダウンの鉄則は、いいモノを買って、使い続けること。購入したモノを耐用年数以上、使っていれば、黒字体質の会社に近づきます。
安物買いの銭失いは絶対にやってはいけません。安いモノを短く使うのではなくて、いいモノを長く使ったほうがカネを生みます。
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