‥★★★21 儲けられる組織づくりをする2
■第三段階の組織のつくり方
Aさん、Bさん、Cさんと3人が優秀であり、経営陣として一人前になったところで、社長が何十%かを出資して、経営者としてそれぞれ独立させ、別会社をつくります。第一段階と同じように、その人たちを社長として徹底的に稼げるような組織づくりをしていきます。つまり、第一段階の組織をどんどん横に増やしていくわけです。
Aさん Bさん Cさん
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● ● ● 【系列組織】
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【縦組織】
全部グループになっていますが、独立採算性。もちろん彼らも出資して、公開を目指していきます。彼ら自身が全部やりたいように人を配置して、回していきます。人の仕切りができるわけですから、彼らの能力が最大限に発揮できますし、どんな小さくても、組織の長になれますから、彼らも喜びます。
Aさん、Bさん、Cさんは対等に社長として対等につき合えますし、彼らもと切磋琢磨しますから、良い循環ができるわけです。
そのとき、縦組織のようにラインで考えると、おかしくなります。第一に社長がたくさんの従業員を抱えると、仕切れなくなります。第二に縦組織は、年功序列的、終身雇用制は成り立っています。要するに年齢が上になれば、役職を与えて、給料を上げるという公平性です。みんな能力は同じですから、「みんなでがんばっていきましょう。エイエイオー」という世界です。
■系列組織は自由競争時代に合っていない
いまは競争が激しい時代ですから、能力のない人をたくさん抱えこんでいたら赤字になります。だからこそ、みんな能力が同じですという組織にするのではなく、優秀な人と普通の人を明確にする必要があります。それが系列組織であり、時代的に合っています。
考えてみれば、20代でも30代でも有能な人は優秀です。縦社会のように50歳にならなければ、営業部長になれない。上に人がいて、第一線で働けないというのは会社にとっては損失以外に何もありません。加えて、「Bさんは課長、Cさんが部長だから、Bさんはこれ、Cさんはその仕事をしてください」 と肩書きで仕事を分けるとおかしくなります。
優秀な人は、どんどん稼いだほうが会社にとっての利益は大きくなります。実際、縦社会の会社に新卒で入った社員は、能力の発揮できる会社に転職しているのではないでしょうか。
35歳ぐらいで第一線に出し、年収1,000万円以上を稼ぐ。思いどおりに人を配置し、使えるという地盤を第二段階でつくり、第三段階で経営者となるようにしていくのです。
■並列組織は自由競争時代に合っている
ビジネスに勝つためには、スピードという大きなテーマがあります。並列組織すると、スピードが全然違います。社長と、それぞれのトップの2人が意思決定をすれば済むので、縦組織とは大きく違ってきます。
縦組織だと、係長がいて、課長、部長、専務、そして社長と、社長に報告するまで膨大な時間が必要になります。これは組織として大きなムダです。そういう役職体系を全部取り払ったのが、並列組織です。役職体系を半分にするだけでも仕事とが半分になり、コスト削減になります。
実際、こうした系列組織で仕事を進めているのが2002年にニューヨークの市長になったブルームバーグです。彼は大手金融情報サービス会社「ブルームバーグ」の創設者であり、一代でロイターと並ぶほどの金融情報サービス会社に成長させました。テロ事件の経済的復興、巨額な財政赤字を抱えるニューヨーク市長選挙で、「今、必要なのはプロの政治家ではなくプロの経営者」と訴えて当選を果たしています。
ブルームバーグ市長は会議が嫌いなのは有名であり、通常であれば市庁も縦組織ですが、並列組織にして、すべて直下で進めています。市職員の削減、予算削減という思い切った市財政再建策を打ち出し、税収を増やすため、収税や市たばこ税値上げしています。
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