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★★★7 開発コストによる経営逼迫〜ベンチャー社長の誤算

 こんにちは、コストダウンライターの嶋津典代です。

 今回、取材にご協力いただいたのは、なんと、社長夫人。ご主人の会社が危機的状況から、いかにして復活したかを、妻の立場からお話していただきます。

依頼主は同級生のご主人

――奥様は会社の経営にタッチされているんですか?

夫人:完璧にノータッチです。毎日の晩酌のお供が勤めの専業主婦です(笑)。だから、主人に山田君を紹介するまでは、年間3,000万円もの赤字を出しているなんて、これっぽちも知りませんでした。主人はソフトウェア会社を経営しているんだけど、当時は、社員が50名、年商も10億円あると聞いていましたので、順調なんだなぁと。

――山田先生山田君とお呼びになる間柄なんですか?

夫人:やましい関係じゃないですよ、単なる高校の同級生。卒業後もたまにパソ通でチャットする程度。それもいつしか音信不通になり、5年くらい前かなぁ、同窓会で偶然に再会して。エース会計事務所の名刺はもらったんだけど、別に初恋の人でもなかったから、引き出しの奥深く、化石化してたわ。まさか、その名刺が必要な時が来るなんて、悪夢ね。

――順風満帆のセレブ人生だったんですね。

夫人:主人とはパソ通のチャットで知り合ったんだけど、大学時代から天才プログラマーと称されていた人で、有名なソフトウェアを作り上げて、25歳の時に、ベンチャーで今の会社を起こしたんです。セレブまではいかないけれど、良妻賢母として安泰に暮らしていけるなぁとは思ってました。以来15年、主人はそのソフトウェアとともに歩んで来たんだけど、3年前、新しいソフトウェアを開発し始めたとたんに、もくもくと暗雲がたちこめたのよ(笑)。

――山田君の力を借りなければならない状況に追い込まれた。

夫人:主人の帰りが遅くなり、ありふれたひとときだったはずの晩酌タイムが修羅場と化し、主人はやせ衰え、保険金目当てに、毒を盛る妻状態になってしまって(ウソウソ)。でも、当時はこんな冗談を言える状況でもなく、これから子どもが大きくなって、お金もかかってくるのに、不安で不安で。でも、女友だちに相談するのも、気が引けるでしょ。そこで、山田君の名刺を思い出したの。

――オボレルモノ、ワラヲモツカム。

夫人:ほんと、いいワラをつかんだわ。でも当時は、焼けぼっくりに火がついても困るので(ウソウソ)、とりあえず、名刺のURLにアクセスして、密かに山田君を偵察しました。今でこそ、エースコンサルティンググループの代表で、コストダウンプロデューサーで、多くのメルマガ信徒を持つ山田咲道先生だけど、当時の名刺には、エース会計事務所のURLしかなくて。でも、ホームページを見ると、日本橋にそれなりの会計事務所を開いているようだし、スーパーコストダウンドットインフォなる展開もはじめているようだし。

――妻の不安を解消するには、最適な相手だと。

夫人:スーパーコストダウンドットインフォのホームページも、くまなくチェックして、コストダウンコンサルティングがいいんじゃないかと。そのときは、具体的な赤字額までは知らなかったんだけど、新製品の開発に問題があることはうすうす気づいていたし、しかも、お金がらみ。

 技術的な問題なら、主人は嬉々として、仕事に没頭していたはずだから。それで、晩酌が修羅場と化す前に「高校時代の友人で、こんなことをやっている男がいるんだけど、一度、ホームページを見たらどうかしら」って、いってやったんだけど、「ああ」と、そっけない返事。もう、妻を言い負かす気力もないのかしらと、そっと、布巾で涙をぬぐったわ(ウソウソ)。

――ご主人が本気になるまで、どれくらい耐えました?(笑)

夫人:1カ月くらいかな。毎日、山田君のホームページを見て、悩んでいたわけではなく、1カ月たって、やっと見る余裕と諦めがでたらしくて、「山田とやらを紹介してくれ、今すぐしてくれ」って、すごい剣幕で、会社から電話がかかって来たの。それで、山田君に電話すると、すぐに会ってくれるとの返事だったから、大急ぎで厚化粧して、日本橋のドトールコーヒーで夫と待ち合わせて、山田君の事務所に向ったわ。

致命的なミス

――この瞬間に、山田君から山田先生に変わったんですね。

夫人:大先生。主人は頭のいい人だから、自分を苦しめている犯人はわかっていたんです。だからこそ、断崖絶壁から背中を押してくれる人を探していたのね。「やめなさい」という一言を。それを山田先生からいってもらって、本当に楽になったようです。私が「やめちゃえば」と一言いったなら、意地でも、続けたと思いますけど(笑)。

――「ほんと、男って、子ども」といいたいところですけど、そこは経営のプロ、重みが違いますね。

夫人:妻として、無一文になっても、支え続ける自信はありますよ。でも、私たち家族を無一文にしない方法は山田君しか持ってない。そもそも、このような状況に追い込まれたのは、ソフトの開発を3本同時に着手したこと。各1億円の売上は上がっていたんだけれど、開発費が会社の利益を食いつぶし、年間3,000万円の赤字。売上高が7億円、利益が5億円のドル箱のソフトを持っていたんだから、無理して新製品を開発する必要はなかったのよね。

――新商品の開発は、経営者として避けては通れない試練ですよ。

夫人:山田先生にも、主人の戦略は間違いじゃないといわれました。ドル箱のソフトが、いつ枯れてしまうかわからない。将来を見越して、新たなソフトを開発するのは、経営者にとって有意義なことだけれど、新製品の開発は長期的な利益。3本同時に開発に着手してはいけない。これが致命的なミスだと。

――40歳、働き盛りゆえの無謀さかな。体力的にも無理が利くから。

夫人:急拡大のつけが、年間3,000万円。開発資金の負担に耐えられなくて、会社も家庭も修羅場。主人にとって、針のむしろの3年間だったと思うわ。それなのに、私ときたら、開発のために50人にまで膨れ上がり、経営を逼迫している人件費を、成功の証だと思い込んでいたんだから、のんきな主婦。2人の子どもを私立にまで入れて。

――デフレスパイラル、悪循環ここに極まれりって感じですね

夫人:主人は、開発者としては有能だけど、経営者としての知恵はなかった。「進むべきか、退くべきか!? あんたはハムレットか!!」と、妻が夫のメンツを潰す前に、プロフェッショナルにご登場いただいて、助かりました。「新製品の開発は、有力なものを1本残すか、それとも3本とも中止するか、腹をくくりなさい」と。その上、「どちらに決断するにしても、社員50人は必要はないでしょう。25人に削減しなさい」とすっきり、はっきり。ざまぁみろってほどに(ウソウソ)。

――開発費を投じたソフトを捨て去ることは、大きな決断ですね。

夫人:山田先生曰く、「社長にとって、3,000万円の損が出るということは、3,000万円消費していること。常に、ストックが3,000万円なければ、倒産する」そうよね、お金がないのに、好きなだけ買い物していれば、自己破産よね。赤字=お金消失、お金がなければ倒産という順番に、鬼のように加速していくわ。社長としては、相当なプレッシャーだったでしょう。子どものかわいい寝顔を見れば、自己嫌悪にも陥って、妻にでもあたりたくなりますよね。

――ドル箱ソフト、1本に社運を賭けるってことですか?

夫人:ドル箱ソフトの利益を極大化してしまって、枯れた後は廃業しても、生活に支障はでないだろう。また、ソフト開発を2本中止すると、黒字はすぐに2億円くらいはでるだろうとも、山田先生は試算していましたね。主人は一発屋では終わりたくない人ですし、私もこれで終わる男だとは思っていませんから、ドル箱ソフトの利益を食い尽くさない状態で、1本のソフト開発だけを続けることにしました。要は、自分の体力に見合った範囲で、開発投資することが大切なんですね。

小ジワのお手入れに見る会社経営

――25人の社員削減はいかがでしたか?

夫人:社員削減のリストを山田先生に提出すると、「遊んでいる社員、稼がない社員を削除しなければ、意味がない!!」 この大目玉で、夫は赤字と山田先生の板ばさみ、私は夫と山田君との三角関係(笑)。ヘビに睨まれたカエル夫婦よ。リストラですもの、高給取りから削減しようと思うでしょう。主人は有能なプログラマーだから、手足となる若い人たちがいてくれれば、問題ないと私も思っていたんだけど、山田先生のご意見は正反対。

――山田先生の持論は、ムダの徹底削除ですから。

夫人:リストの作成には関与していないんですけど、年間−3,000万円ですからね、家計簿しかつけたことのない主婦には気の遠くなる数字でしょ。私、とても動揺してしまって。それを見て、主人は申し訳ないと思ったんでしょうね。てっとり早く、赤字を穴埋めすることばかりに気をとられてしまったようです。

――今までかけた苦労を、一気に償おうと。これまた、急拡大ですね。

夫人:できてしまった小ジワは、すぐには元に戻らな〜い。時間をかけて手入れしていかなくっちゃ。不摂生によってできた小ジワを、プチ整形で安易に直しても、ボトックス注射代がかさむだけのイタチごっこ。短期的な結果にとらわれるより、規則正しい生活、入念なチェックと細やかなケアによる長期的な結果を目指す。こんなこといったら、また、山田先生に睨まれそうだけど、結局、会社も小ジワと一緒かも(笑)。

――そして、サプリメントに山田先生というところですか(笑)。

夫人:毎日は飲みたくないなぁ(笑)。頭のいい社員、仕事のできる社員が、圧倒的に会社の利益を上げているのよね。その社員を削除してどうするんだって話ですよ。主人がソフトの開発にかかりっきりになったら、誰が経営を見るのかって。元の木阿弥、赤字スパイラルですよね。プログラマーの優劣って、書いたソースを見れば一目瞭然らしいのね。

 主人も、自分が必死になって、プログラムを書かなくても、開発するソフトの道筋をつけ、あとは社員の書くソースに目を光らせておけば問題ないと、山田君にいっておりました。だったら、最初からそうしておけばよかったのにね、小ジワ、元に戻らず(笑)。

――天才プログラマーから、敏腕経営者への脱皮ですね。

夫人:羽化していただかないと、不惑の年齢ですから。まぁ、山田君みたいに不惑すぎるのも、魅力に欠けるけど(ウソウソ)。山田先生のおかげで、会社も専業主婦人生も磐石になりました。おまけに、会社の経営だけでなく、「ランチバイキングで摂取したカロリーを消費するためにスポーツクラブ通い。

 その経費を捻出している夫に感謝して、晩酌時の愚痴の一つや二つ、大目に見てあげなさい」との余分なアドバイスもいただいたので、今ではすっかり、クラブのママに徹してます。出会った頃のパソ通を思い出して、「今晩は焼肉よ、早く帰ってきてね☆」なんて、ケータイにメールも送ってま〜す。

――そのストレス解消のために、新たな出費が加わったりして。

夫人:ストレスは山田君への愚痴メールで解消してます(笑)。頼んでもいない夫婦間のコンサルティングをしたのはそっちなんだから、山田先生には、責任を持って、成功へ導いていただかないと。山田君、メールの返信は24時間以内がビジネスの鉄則よ。今後もヨロシク〜♪

(注)体験談は、実際の体験を通して、スーパーコストダウン術を分かり易く、そして楽しく会得することを目的としています。そのため、多くのフィクションが含まれています。



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